第8章

タイトル:正しい事と損得

少し勘違いの無いように書きますと、この物語は、実際にあった事を元に構成していますが、フィクションです。
細かいポイントの動きまで覚えているわけありませんし、2回戦と3回戦の最終スコアはも恐らく、実際は違っていたと思います。
が、試合中だけでなく、試合間やポイント間に考えたり実践したり、思ったり、は、本当にあった事なので、参考に出来る部分はたくさん有ると思います。

ここらで今回この物語を書くにあたり、私的には、これ、要点だよ、って部分を纏めておきます。
テニスのセルフジャッジは、結構ややこしいです。
基本的にはこっちコートで起きた事、は、好いも悪いも自分でジャッジをします。
しかし、一部には、相手コート内で起きた場合にも、こちらがコールを行える事柄も有ったりします。
その場合の殆どはポイントのやり直し、となる事が多いのですが、コールをしたタイミングによっては成立しないとか、ま、勉強してみてください。
今回私が体験したような事は、滅多に起こる事では有りませんが、隣コートからボールが転がって来た、とか、ワイドに打ったボールがインプレーのまま隣コートに飛んで行ってしまった場合は追い掛けてプレイ続行なのか?とかは、割と頻繁に起こります。
そんな時、相手の言うままに、と言うのでも良いですが、それでは1ポイント損をしてしまう事があります。
今回の私の場合は、ルールとしては知っていたのに、厳密にやらなかった為に、色々と後々まで引きずって、こんな面白話が出来てしまったわけです。
1回目、止めなかったからゲームが取れた、と言う見方も出来るかもしれませんが、もし逆の立場だったら、ルールを知っていれば、そのポイントをやり直せた訳ですから損をしているわけです。
もし1回目にやり直しを適用させていれば、2回目に起きた時にポイントが貰えた訳ですから、そうしなかった私は損をしたわけです。
こういう見方も出来ます。
そのルールを知っていたから、相手のポイントにならずやり直しにする事が出来た、とも。
実践面ではそう言う事なんですが、心としては、自分だけがルールを知っていた為に、不愉快な思いをする事になり、プレイに影響を来たした、と言う意味では、損をしたわけです。
ルールを知っている側が損をするって言うのは、なんか納得行きませんが、良い勉強になりました。

と、そんなこんなで考えて行くと、ルールって言うのはよく考えられていて、よく出来ているな、って感じです。
同じ事をしても1回目は、やり直しなのに、2回目からは失点なのは、例えば、だって1回目はスルーして、2回目自分に都合が悪いから、と、自分のポイントにしようなんて事が有ったら、それこそ、後味悪いですもんね。

良い機会なので、他にも特殊な状況なルールを当たってみました。

隣からボールから転がって来た場合、どっちのコートであっても、誰でも、レット(ポイントやり直し)をコール出来ます。
セルフジャッジ、と言う言葉から、自分コートに飛び込んで来たボールにのみ、と思っている人が多いんですが、平行陣に出て来た二人の後方にボールがある場合、その二人はそれに気が付かないでしょ。
だからどっちの陣営の人でも止められる訳です。
ボールを打ってからレットが掛かって、そのボールがアウトしたらアウト、って言うのも有るようですが、審判の居ない試合でそのタイミングを計る事は不可能なので、実質、やり直しで良いと思います。

相手がサーブを打とうとしているんですが、自分はまだ構えていない、とか、準備が出来ていない場合、ノットレディー(準備出来てません)と言って、レットを掛けれます。
ただし、その場合、リターンしてはいけません。
リターンした、って事は、準備出来てるやん、て事になります。
この場合、セカンドサーブで、トスを上げていた、とか、サーブの動作に入っていたら、ファーストからになります。

などなど、この辺は、割と草トーなんかでも、有りそうですよね。
こっちがまだ構えていないのに、さっさとサーブを打とうとする奴は結構居ますからねぇ。
では、サーブを打とうとしている時に、ボールが転がって来てのレットだったらどうかと言うと、これも動作に入っているかどうかで、ファーストからかどうかが違ってきます。
ちょっとした事ですが、ファーストサーブからかどうか、知らないと損をする事になります。
と言っても、厳密にここまで知っている人は少なくて、ま、殆どは成り行きで成立させてますよね。

その他反則の中には、打球の妨害、と言う項目があり、自分が打ってから、相手が打つまでは、言葉を発したり、大きな音を出すなどはしていけない、と有ります。
自分達がロブを上げて、逃げてぇ、とか、怖い、とか、言うのはつまり反則なんです。
ちなみにこれも1回目は警告、2回目以降は失点です。
Yこりんは、打った後に、「うぎゃー」とか「大きい」とか発したにも関わらず、ボールがコートに入る、って事がよく有ると思うんですが、つまりあれは厳密には反則です。
仮に本当にアウトしていても、相手がそれをアウトと判断するかどうか、つまりセルフジャッジなので、どっちを取るかだけの話しです。
もし私が、Yこりんと誰かのペアと対戦する事になって、その大会に賞金でも掛かっていたら、その場のポイントよりも、この先何ポイントも入るかもしれないコードバイオレーション(反則)を取った方がお得って事になります。
やってしまった感をアピールしたい気持ちは解りますが、相手がアウトとジャッジしてからにしましょうね。

相手が打とうとしている時に、例えば、相手を惑わすような言葉を発する事も反則です。
前に詰めたよ、とか、(相手は)打ってくるよ、とか、ペア同士で声を掛け合う事が有ると思うんですが、その内容が事実であるかに関係なく、上記のルールを適用されると反則な訳です。
ただし、相手が打ってからこちらが打つまで、は、何を喋っても良いんです。
ロブ上げるで、と言いながら、ドカンと打っても良いですし、お願い、と言っておきながら自分が打っても良い訳なのです。
と言ってもね、このルールもセルフジャッジでの場合、じゃあ、その声を発したのが、相手なのか、外に居る観衆なのか、隣のコートでプレイしている奴なのか、厳密に聞き分ける事が出来ないだろうから、あまり問題になる事が少ないです。
とは言え、相手の、その大会に掛ける本気さ次第では、そう言ううめき癖や、ついつい声を出してしまう人は、注意が必要なのであります。

そんなこんなで、じゃ、シャラポワのうめき声、インパクトの瞬間に発せられてますが、明らかに、それ以降も鳴り響いてますし、どうなん?と言われれば・・・。
ま、だから時々、注意を受けた、なんて話題が、放送で語られたりする訳です。

と言う訳で、教訓です。
1.ルールは知っている方が良い、だが、それで必ず得をする訳ではない
むしろ相手がそのルールを知らなかった時には、こっちが無茶な事を言っている人扱いを受けて不愉快な思いをする事がありますから、ま、厳密にやるって事も時として勇気が要るのであります。

続く
何かください^^;

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